心の支えになる素敵な女性を追って

心の支えとなる素敵な女性。
目指すべき人生のモデル。

2人目のモデルも、やはり同じ小説『きもの』より。

平凡ながら幸せだと思っていた女学生るつ子。
ある時、友人宅で素敵な大人の女性に偶然出会い、魅力を感じます。しかしその人は、父親と昔からつながりのある女性でした。長唄のお師匠さんで自立した女性。

よそに女性がいると知りながら辛抱強く家庭を支える母親に同情しつつ、しかしるつ子は父の愛人にも惹かれてしまうのでした。
三人姉妹の末っ子のるつ子。上の二人の姉が結婚して家を出た後で、母親が病に倒れます。
るつ子は一生懸命看病します。
ある日、母親に新しい浴衣を着せた後、母親は眠るように逝ってしまいます。
その浴衣は秋の七草が咲き乱れたもので、るつ子が仕立て、父親が母に『似合う』と言った浴衣でした。その母親が静かに逝ってしまいました。るつ子は悲しみに乱れます。

しかしやがて家庭内の悲しみも収まります。
そしていつもの日常が戻った時、関東大震災がるつ子たちを襲うのです。

その混乱の最中、るつ子は父の愛人に再び出会います。その人はやなり目立つ女性なのでしょう。そして避難先でるつ子の家族と寄り添って一晩を過ごします。
その時にるつ子はその女性と母とを冷静に比較しています。

母親は確かに家庭を支え自分たちを育ててくれた。しかし実は父親の仕事や日常に関しては無関心だったかもしれない。薄情とまでは言わないが、そのような関心の薄さが父親には不満だったようだ、と。
その女性は仕事をしていることもあり、父親の仕事のことを深く理解し、共感できているようだ。

そして愛人は、夜が明けると、当てがあるのか無いのか、人混みの中に消えて行きました。

その後ろ姿にるつ子は女性の芯の強さを見ます。美しい外見以上に内面の魅力を見るのです。

この場面が私は忘れられません。
すっくと混乱の中立ち上がり、自分の城を築いていく。とても素敵…。

2018年11月02日